2010年10月28日

写真は捨てられない

今日の読売新聞朝刊の人生相談は、80代女性からの相談で「思い出の写真、託す人もなく」という心が締め付けられるような内容でした。

相談自体は大切な写真が捨てられないという誰もが抱えている他愛無い相談なのですが、その方の場合は悲痛な思いが伝わってくるのです。

毎日、新聞のお悔やみ欄で自分と同年代の人たちが亡くなっているのを見て、自分も身辺整理を始めたとのこと。

「まだ若かった頃、亡くなった夫と毎月のように温泉に出かけたものでした。行く先々で写真を撮り、その写真が山のように残っています。ただ、残しておいても見せる人がいません。孫もいません。といって、思い出の写真はとてもゴミとして捨てられません。・・・」

「戦中戦後の激動の時代を、夫と手を取り合って生きてきました。アルバムの写真一枚一枚が私たち夫婦の貴重な歴史です。夫は食糧難の時代でも二枚目の明るい男性でした。・・・」

「結婚して初めて行った湯河原の温泉宿の写真もあります。思い出は尽きません。ひつぎに入れてもらいたくても大量の写真は難しいようです。どうすれば」

という内容でした。


私も整理能力が無さには人に負けないという自信があり、捨てることは大の苦手なのですが、それで悩むことはありませんでした。

でもこのおばあちゃん、ご主人を亡くし、一人ぼっちで生活しているのかも知れない。であるなら、思い出の写真がとても大切なものであるのはよく分かるような気がする。(そんな大事なもの、捨てられるわけないよね)


この相談に対する回答者は作家の眉村卓さんでしたが、結論的には「割り切るしかない」というものでした。

「子や孫がいようとも、さらに後世となれば、自分は忘れ去られているでしょう。百年後、千年後となれば、よほどの有名人でも、本人が望んだようなかたちの言い伝えが残るとは限らないはずです。残念ですが、人間とはそんなものではないでしょうか」

「思い出とは、きっと、本人の胸の中で輝き、本人の終わりと共に消えてゆくものなのです。・・・」


確かにこういう相談、悩みに対しての正解はないのでしょうが、眉村さんのおっしゃる「本人の胸の中で輝き、本人の終わりと共に消えてゆく」はすばらしい言葉であり、何だかホッとさせられる気がしました。

理屈ではなく、気持ち的にすっきり受け入れられるのです。


自分も写真をはじめ、思い出の品を捨てきれずに抱え込んでいますが、思い出は自分が死ねば消えていくものと思えば、そんなに執着しないですみそうです。

とはいえ、子供も孫もいることだし、思い出が消えてただのガラクタになったところでかれらに処分を任せることにします。(笑)








posted by 酔ing(すいんぐ) at 23:59 | 神奈川 ☔ | Comment(0) | TrackBack(0) | ニュース&話題 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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